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電子の絆

厳重なチェックをいくつも通り、3人はある部屋に着いた。「連れてきたぞ。カツラの後継者だ。」男は言った。 白髪の老人がゆっくりと日本語で話す。「カツラか、懐かしいな、やつの力で我が国は莫大な富を得た。」 老人は続けた。「しかしやつは例えるなら猛獣だ。猟犬としては使いこなせなかったのだ。」

老人は葉巻に火をつけなおも続けた。「お前はどっちだ。我々に忠誠を尽くせるか?」 アンリは力強く言った。「お金が欲しいの。孤児院を作って子供たちに生きる力を学ばせたい。南の島のリゾート地も欲しいわ。」 はっはっは。老人は笑った。「金ならいくらでもある。今君のパソコンに入っているカツラの作ったアプリケーション、即金で買おう。」 「任務は何?」アンリがあまりに堂々とあやしげな連中と交渉してるのをケンは恐々見守っていた。

「大まかにいうと、日本人の労働意欲を奪ってほしい。日本を経済的に没落させることで資金を運用する予定だ。」 老人は煙をくゆらせ、そう応えた。「日本を売れってことね。」アンリはキッパリという。ケンが口を挟んだ。「国を売る?女子高生が?」

アンリの口調がなにか壮大なものを感じさせるものになる。「取引成立ね。日本人の労働意欲を奪えば孤児院と南の島。なんのプランもないけれどなんとかしてみる。」

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